太陽と月
俺は今度は自分の鞄を開ける。
俺もよく胃が痛くなるから、胃薬を常備している。
食前でも食後でも食間でも大丈夫なやつだから便利だ。
悠樹は9歳だから…2錠だ。
「水持ってくるから」
胃薬だけ母さんに渡してキッチンに向かう。
「あき…悠樹…」
姉ちゃんが小声で話しかける。
いつばあちゃんに聞かれるか分からないから。
「うん…水ちょうだい?」
返事になってないけど、姉ちゃんには分かったはず。
黙ってコップに水を注いでくれたから。