太陽と月



俺は悠樹の頭を撫でる。


「本当に優しいお兄さんね?」


点滴を変えに来た看護師さん。


悠樹は嬉しそうに“うん!”って言ってくれる。


俺も嬉しいよ。


弟に“優しいお兄さん”って思われていること。


「あ…もう行かなきゃ」


時計は午後3時を指している。


別に大丈夫な時間だけど、今の俺には約束がある。


「勉強頑張ってね!」


本当は寂しいくせに笑顔で言う悠樹。


そんなんだからストレス溜まるんだろ?


“嫌だ”とか言っても良いんだぞ?



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