シークレット?スキャンダル!
父さんに連れて来られたのは、高級イタリアンのお店。
なかなかこういうお店も来れないから、新鮮なものだ。
「仕事は順調か?」
「まあまあかな。楽しいしやりがいがあるし」
「今度、ハリウッドから話が来てるんだって?」
「とりあえずだけどな。オーディションに受からなきゃ意味ないし」
「受けるのか?」
「悩んでる。ねえ、父さん。ハリウッドってどんな感じ?」
「いいところだよ。たくさん刺激になる」
「そっか…」
こうやって父さんと仕事の話をすることは、息子である俺の特権かもしれない。
仕事人間な父さんだけど、ちゃんと家族のことを気にしてるってわかってるから、俺に反抗期は来なかったんだろうな。