シークレット?スキャンダル!
電話の相手は麗美ちゃんからで、もう既に酔ってた。
こういう時の麗美ちゃんとは関わりたくないものだ。
「綾斗、いいよ」
「ん、」
雅と交代して風呂に入る。
まだ一年始まるのか、とか今年は成人だな、とか考えながら入って、のぼせる前に出た。
リビングの扉を開けようとしたら話し声が聞こえてきたから、きっと父さんが戻ってきたんだろう。
部屋に戻るぞって雅に言おうかなとか考えながら、ドアノブを回そうとした時だった。
『あの、なんで俳優よ辞めちゃうんですかっ…』
そう雅の声が聞こえて、手を止める。
続く会話に思考を奪われ、俺はその場に立ち尽くした。
『綾斗のためだよ』