あなたの心にいる人は… (完)
「ごめんなさい。寝ちゃって」


「いや、こっちこそ退院したばかりで無理させて悪かったな」


廉は私の言葉にも目を向けず黙々と手を動かしていた


「なにか手伝いますか?」


「もうすぐ完成なんだ。座って待っていてくれないか?」


「じゃあお言葉に甘えて」


私はキッチンに立ってみているのもなんだからとソファに座って待つことにした


廉がご飯を作ってくれるのは初めて


キッチンに立つ廉は新鮮


喜び半分


二人の関係がどんどんと深まってしまいそうで怖かった


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