あなたの心にいる人は… (完)
次の日


眠れないまま朝を迎えて寝室を出ると


廉の綺麗な字でメモがあった


『荷物は今度取りに来る。今まで通り葵にはここを使って欲しい。詳しい話はまた今度。』


止まったはずの涙がまた流れた


「キャンキャン!」


足元で可愛らしく私を呼ぶのは


「ちゃちゃ」


昨日決まったばかりの名前を呼ぶ


「そっか。私ひとりじゃないね。ちゃちゃがいるね。」


ちゃちゃを抱き締めながら涙がまた溢れて止まらない


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