あなたの心にいる人は… (完)

そばにいるのに

『~♪』


めったにならない携帯の着信音


かすかな希望を胸に手を伸ばした


必要最低限のものしかないこの狭い部屋では


手を伸ばせば全部つかめそう


携帯も簡単に手にできた


「はい」


着信画面を見るのを忘れて電話に出たことを少し後悔してみたけど


もう遅い


「どこにいる?」


間違えるはずのないその声は


紛れもなく廉の声


「あの~、、、」


「誰が家を出ろといった?」


ものすごく不機嫌な声に私の足は寒気でもとから震えていたのに更に震えた
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