あなたの心にいる人は… (完)
私の手首にはぼこっとみみず腫のようになっている傷が


はっきりと残っている


あの日、、、自分で傷つけた、、、


廉は傷の上から優しく口づけした


「この傷は俺のせいだ」


「ちがう!これは私が」


「違うよ。俺が葵を守りきれなかったんだ。」



「違うよ!」



「 この傷は俺が背負う。背負わせてくれ。葵の心の傷も全部。」


涙で言葉に詰まる


「葵が好きだ。葵でよかった。」



私は言葉の代わりに廉の手をぎゅっと握った


たくさんの愛してるを込めて、、、
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