あなたの心にいる人は… (完)

未来がほしい

「唯が生きてるって知って正直動揺した。」


廉は点滴している私の横でそう話し出した


「でも唯の話を聞いて怒りに変わったよ。」


点滴してない方の私の手を握り


私の髪をなでながら


廉はまた話し出す


「今も本当は頭に来てるんだ。」


「私も、、、正直な気持ちは、、、同じ。」


「それでもあぁして話ができたのは、葵がいてくれるからだ。葵を、愛してるからだ。憎しみじゃなく許すことで葵との時間はもっと幸せになる。幸せをみんなに伝染させれば、俺たちも幸せに包まれる。そう思った。」



廉の目を見て頷く


「それに、葵と出会えて、葵を愛する気持ちを持てたのは、唯がいたからだ。そう思うとあれ以上俺には言えなかった。」



「うん」



「、、、俺の言ったこと、理解してくれるか?」
< 205 / 269 >

この作品をシェア

pagetop