あなたの心にいる人は… (完)
「……う~」


ゆっくり立とうとしてやっぱり激痛が走り動きが止まってしまった


「座れ」


廉は私を座らせ迷いなく脇腹を見た


いきなり服をめくられたのに恥ずかしく慌てたのは私だけ


廉は医者の顔で表情一つ変えない


「なんだこれ?」


「どうなってます?」


「なにした?」


「本棚にぶつけました…踏み台から落ちてしまって…」


「病院行くぞ」


そう言って廉は私を抱き上げすたすたと玄関にむかった


「肋骨が折れてる」


「えっ?」
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