あなたの心にいる人は… (完)
廉に渡された名刺をじっと見ていると突然だきあげられた


「夕飯は一緒にとれるが朝と昼は無理だ。それでもちゃんと食べろ。」


「え?」


「えじゃない。結婚してから何キロ減った?葵の場合命にかかわる」


「……」


そういうことか…


私は体が弱くて食への意欲がわかない


もともと体力のない私が食事を抜くことは命取りだ…


医者としての責任感で夕飯を一緒に食べると言ってるんだ…


ほんの少し…


広い家にひとりでいる私のために…って考えてくれたらと期待した自分が余計に寂しかった
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