あなたの心にいる人は… (完)
「何を泣いてる?」
聞き違えるわけのないその声に慌てて涙を拭いた
「これ……ありがとうございます……」
「また怪我されたら困るから用意しただけだ。具合はどうだ?」
「大丈夫です」
「そうか」
廉はすぐに書庫から出ていった
本当に夕食にあわせて帰ってきてくれた
例え跡取り息子でも医者としてかなり忙しいことは知ってる
なのに理由はなんであれ時間を作ってくれる優しさが嬉しい
「ただいま戻りました。夕食にしましょう」
「はい」
毅の声にもう一度涙を拭った
「出すぎたことだとは思いますが廉は不器用な男です。あいつのことを分かってやってください。誤解されやすいので……」
聞き違えるわけのないその声に慌てて涙を拭いた
「これ……ありがとうございます……」
「また怪我されたら困るから用意しただけだ。具合はどうだ?」
「大丈夫です」
「そうか」
廉はすぐに書庫から出ていった
本当に夕食にあわせて帰ってきてくれた
例え跡取り息子でも医者としてかなり忙しいことは知ってる
なのに理由はなんであれ時間を作ってくれる優しさが嬉しい
「ただいま戻りました。夕食にしましょう」
「はい」
毅の声にもう一度涙を拭った
「出すぎたことだとは思いますが廉は不器用な男です。あいつのことを分かってやってください。誤解されやすいので……」