あなたの心にいる人は… (完)
「食べられますか?」


「はい」


廉に観られないようにとドキドキする


目の前においしそうなオムレツやトーストが出されたのに食べる気にならない


目が回る……


どうしよう倒れそう……


でも言えない……


でもここで倒れるわけにはいかないし……


「ごめんなさい……ちょっと休みます……」


寝室に逃げようとしたのに今の私は立ち上がるのが精一杯で


『がたんっ!!』


派手に食器を床に落として自分も倒れこみそうになった


床に倒れなかったのは自分で持ちこたえた訳じゃない


廉がすかさずキャッチしてくれた
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