あなたの心にいる人は… (完)
検温に来る梨華さんは必要最低限のことしか私には言わない

今日もそうして病室を出ていくと思った、、、

でも、、、

「あなたのことを見舞いにも来ないのね」

「へ?」

「愛していない証拠でもあるけど、気にもしていないんじゃない?一緒に暮らしていれば気にしなくちゃならない義務があるのかもしれないけど、病院にいればその義務を果たさずにすむ
。仕事にも打ち込めるわね」

「、、、」

梨華さんの言っていることは真に受けちゃならないと分かりながらも考えてしまう

「あなたのせいで廉は殺人的なスケジュールをこなしてるわ。医者として今は大事な時期なのに、一分一秒が惜しい今時期にあなたに囚われてる。廉にとってあなたはやっかいなお荷物。邪魔ものでしかない。」

「、、、」

「あなたは目の前にいる廉しか見られないだろうけど、私はもっと彼のいろんな顔を知ってる。」

梨華さんはお姉ちゃんとも廉とも同い年

私よりも廉を知ってる

「あなたのせいで医者としても、病院のあととりとしても、廉は大変な思いをしてるわ。それに、、、」
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