あなたの心にいる人は… (完)
「どうして?…廉だって思ってるでしょ?どうして死んだのがお姉ちゃんなんだって。どうして私じゃないんだって、、、。私なんかと一緒になっても幸せにはほど遠くて、大変で苦しいだけで、、、お姉ちゃんだったら今頃廉には今と全く違う幸せな人生が待っていたのにって。死んだのが私だったらよかったって、、、。」

話すうちに体力が限界にきてしゃがみこんだ

廉の足元に



廉はたったままでいる

廉の表情が全く見えない


目にはいるのは自分の左手に巻かれた分厚い包帯

むやみに動かしたから血が滲んできている


流れない涙のかわりに血の涙が流れてるみたい


もっとこの涙を流したら、、、


まだチャンスはあるのかな


私はさっき自分で倒して床にばらまかれた処置用のセットの中に小さなハサミを見つけた


もっとちゃんとやらなきゃ

ハサミをめがけて手を伸ばした
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