あなたの心にいる人は… (完)

冷めきった関係

入院は長引いて1ヶ月も病院で生活していた

廉は毎晩ご飯の頃に現れて一緒に食べ始める

私は廉に心配をかけないように必死で食べた

私たちの間にはほとんど会話がない

「明日退院だな」

「はい」

「明日は休みをとったから10時に迎えに来る」

「はい」

すっかり私たちの会話は敬語に戻った

必要最低限しか話さない

「どこかいきたいところはないか?」

「……いいえ。」

「そうか。」

「はい」

病院での生活からまたあの家に戻る

お姉ちゃんが廉と暮らすはずだったあの家に
< 90 / 269 >

この作品をシェア

pagetop