あなたの心にいる人は… (完)

次の日廉は約束通り迎えに来てくれた

ラフな格好の廉はなかなか見ることがない

いつもはスーツだけどカーキ色のパンツにチェックのシャツ

アウターもラフな感じでまとめられている

「荷物はこれで全部か？」

「はい」

看護師さんが全部荷造りしてくれた

次期院長の嫁だけあって手厚く看護してもらった

「支払いは済ませたんだ。行こう」

「はい」

廉は荷物を持つとすたすた歩いて行ってしまった

慌てて追いかけると廉は私に気づいて歩みを緩めてくれた

車に乗り込むと

「今日は付き合ってほしいところがあるんだ」

と廉は車を家とは逆方向に走らせた