あたしの甘ーい幼なじみ
『あぁ。あなたは誰なの?』
「はぁーいストップ」
丸めた台本片手に、映画監督のような女の子からの待ったがかかる
「…な、何でしょう?」
「固い。もっと自然に」
きっぱりと言い放たれる言葉が、あたしの胸に刺さる。
―――うっ
そ、そう言われても…
「もー羽衣子、これで何回目?頑張って!」
「ごめん和美ちゃん…」
和美ちゃんにまで言われちゃった
だって、難しいんだもん
「じゃあ結城さん、もう1回!」
「はいっ」
そうなんです
ただいま学園祭でのクラスの出し物、クラスの女の子が作ってくれた『悲劇のプリンセス』の練習中なのです