あたしの甘ーい幼なじみ
「…それにしても、目立つね」
さっきから止まない歓声
それはすべて
「…ごめん、羽衣子ちゃん」
隣のこの人のためのものなのです
すれ違う度に女の子の黄色い声は凄まじい
ただでさえスーツ姿は目立つんだけど…清瀬くんともなると。
やっぱり、この姿はまずかったんじゃ?
「大丈夫だよ?」
「そっか。あ、そうだ。羽衣子ちゃんのクラスはなにするの?」
「え…?」
「D組、演劇だっけ」
清瀬くんが微笑む
――――あ
「うん。クラスの女の子が描いてくれた『悲劇のプリンセス』をするんだ」