あたしの甘ーい幼なじみ




「……清瀬くん?」


「…れから」


「えっ?」


「あれから、久賀くんになにか言われた?」





‘あれから’っていうのは、きっとあたしが清瀬くんの約束をすっぽかした日のことだ



あえて言わないところが、気を遣わせてるんだってわかる





「…ううん、なにも」





特になにも言われていないし、変わったこともなかったはず





「じゃあ、なにもされてない?」


「えっ…?」




なにも、されてない?


この前の記憶が蘇る








初めてだった、めまいがしそうなくらい――深いキスのこと


「……まさか、なにかされた?」





焦ったような声に、ハッとして顔を上げた



あれは、演技の練習


本気なわけない






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