あたしの甘ーい幼なじみ
「清瀬くんいる?」
A組の教室に顔を出す
もちろん、あまり気が進むものじゃないけど
「よっ、久賀くん。あー誓?ちょっと待ってな」
俺に気づいた大川くんが、清瀬くんを呼んでくれた
なんだよ、やっぱり気が合うな
いいやつだ
「誓」
大川くんに呼ばれた清瀬くんが、驚いた顔で俺を見た
まぁ、そりゃそうか
俺があんだけ怒鳴って一方的に羽衣子を連れて行ったから
「どうしたの久賀くん」
俺のところにゆっくり歩み寄る
「あー…これ、サンキュな」
声が掠れる
なんなんだろう、この緊迫感は
俺が作り出した?
いや違う――…
「着てくれたんだな」
俺とは対照的に、笑顔の清瀬
―――えっ
なんで笑顔なんだ?