あたしの甘ーい幼なじみ



「言いたいことはそれだけだから」


じゃ、と手を上げて教室を去っていく


「…っちょっと待って」

清瀬の声に、ゆっくりと振り返る


「…久賀くんの一番は、誰?」



そんな真剣な顔すんなよ。そんなの、決まってんだからさー…


「俺と、羽衣子」



迷うこともなく、笑ってみせた



「…気をつけてな」



2人が思いあっていたとしても、本当の意味で互いに‘想い合う’ことは難しい


想い合いすぎるとー…


音もなく静かに崩れてしまうんだ



去りゆく背中に、呟いた






< 329 / 536 >

この作品をシェア

pagetop