あたしの甘ーい幼なじみ


あれ、なんか変じゃないか?


教室に戻る途中の廊下


俺を見る女の子達の顔も、すれ違う人たちの顔もよく見えない


なんか


周りが動いて見える気がするんだけど…


フラついた足取りで、なんとかD組の教室にたどり着く



「終聖?」


聞き慣れた声


あ、羽衣子だ



「もーどこに行ってたの?待ってたんだよー」


「悪い悪い」



あー…声がこもって聞こえる



「え?じゃあ帰ろっか」

「そうだな………」



鞄を取って……


って、あれ?


「え…っちょ、っ終聖!!?」


体が傾き、視界がぼやけていく


あー…だめだ


ごめん羽衣子


そのまま俺は意識を手放した




< 330 / 536 >

この作品をシェア

pagetop