あたしの甘ーい幼なじみ


「うーん…」


これはどうしたものか
上履きを履かないから、冷たい廊下


やっぱり靴下だけじゃ変なかんじだよ


―――ドン


「……っ!?」



誰かにぶつかり、あたしは廊下に倒れ込んだ


「痛ったぁ…」


膝から落ちたせいか、膝が擦りむけて血が出てる

ってあ、ぶつかった人に謝らなきゃ!


「っご、ごめ…」


「馬ー鹿。調子乗ってんなよ」


顔を上げたあたしに届いた、罵声


あ――…


気づきたくなんてなかった


なのに気づいてしまった

あたし――…いじめられてるんだ


わかった途端、急に体の力が抜けてしまった


傷はジンジン


心もズキズキ痛い


なんで?どうして?


あたしの涙腺が緩んでく


廊下を行き交う人たち
みんながあたしを笑っているように見える


体に力が入らない

どうしよう、あたし

立ち上がれないよ…



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