あたしの甘ーい幼なじみ
羽衣子side
「羽衣子どうしたの?」
「…わっ」
和美ちゃんの瞳が、教室に入るなりあたしの姿を捉えた
それもそのはず
「どうしたの、そのタオル」
「あ、ちょっといろいろありまして」
あはは、と髪をタオルで拭く
まさか見知らぬ男の子に消毒液をかけられました、なんて言えないしね
うわ、ちょっとまだ消毒液くさいかも…
クン、と香るアルコールのにおい
「いろいろって…じゃあその靴下は?」
「えっ?」
指差す先には、上履きを履いていない汚れた靴下
「あぁこれ。無くしちゃった」
「無くしたぁ?」
疑ってるみたいな表情
ううう
「ほ、本当だよ!」
どういう理由かはさておき、無くしちゃったのは本当だし!
「そう?ならいいけど」
それにまだ隠されちゃったのかもわかんないし
和美ちゃんに心配かけたくないよ