あたしの甘ーい幼なじみ
「はよー」
「おー久賀、風邪治ったか?」
「おー」
上履きは返ってきた
騒ぎも収まったはず
なのにどうして――
どうしてあたしの上履きのなかにあんなに大量のがびょうが?
「羽衣子?」
「っえ?あ、和美ちゃんおはよう」
いけないいけない
和美ちゃんに話しかけられてたことに気づいてなかった
「…顔色、悪くない?」
「わ、悪くない悪くない。」
「そうかしら」
「終聖の風邪、移っちゃったのかも」
「ふーん」
とりあえず、あのがびょうどうにかしなくちゃ
和美ちゃんにも終聖にも見つからないように
「うわーこれはすごい」
ジャラジャラーと独特な音とともに上履きから流れ出るおびただしい数のがびょう
こんなにもよくもまぁ…
「古風なことを」
って感心してる場合じゃないよね
上履きが無くなる次はがびょうの詰め合わせ
よくマンガで見るいじめの方法
やっぱりあたしは、いじめられてるんだ
でもどうしてなのか、原因がわからないから解決もできないし
1人でどうにかしなきゃ
「ニャー」
「ニャー?」
声がする方を見ると、ミルクティー色の猫
あ
「ミシェルちゃん」
抱き上げるとスリスリとあたしに顔を擦り付けてくる
か、可愛い