あたしの甘ーい幼なじみ


「あら。わたしは大歓迎よ」


「ありがとうございます」


「いつまででもいてね。そのほうが羽衣子任せられるし」


「もーママいいからっ」


シワを寄せるあたしを終聖が軽々と自転車に後ろに乗せた


「わっ!」


「じゃあおばさん行ってきます」


「いってらっしゃい、気をつけてね」


「行ってきまーす」


ママに手を振ると自転車が動き出した


こいでいるのはもちろん終聖


「捕まってろよ」


「ー…うん」


右手を腰に回してぴったりとくっつく


「うわぁぁー気持ちいいー」



坂道を下ると、風が少し冷たい

木々もオレンジ色に姿を変えようとしていた


「終聖」


「ん?」


「ありがとね」



感謝してもしきれない



「はいはい。お前は俺のそばにいればいいの」


背中に響く声


これからも季節の変わる瞬間をずっと終聖と見ていよう


2人でたくさん思い出作っていこうね




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