あたしの甘ーい幼なじみ
「……別に。」
あれ?
お礼を言ったら向こうを向いてしまった終聖
あれれもしかして
「…てれてる?」
「てれてねぇよ」
「うそだ。顔赤いよ?」
「ばっ、ちげぇよ」
うそだ。だって耳まで真っ赤だよ
本当素直だなぁ。昔とまったく変わってない
「終聖かわいー」
「かわいくねぇ。それより踊るぞ」
「えっ、ちょっとっ…」
強引にあたしの手を引いてグラウンドに出る
「…足大丈夫か?」
「うん、平気だよ」
「じゃ踊りますか」
いたずらな笑顔にあたしもつられて笑う
ただそばにいるだけで温かくて、安心できて
この人に会えてよかった
初めてそう思えた高1の初冬
曲は終焉に向かっていた