あたしの甘ーい幼なじみ


「……別に。」


あれ?


お礼を言ったら向こうを向いてしまった終聖

あれれもしかして


「…てれてる?」


「てれてねぇよ」


「うそだ。顔赤いよ?」

「ばっ、ちげぇよ」



うそだ。だって耳まで真っ赤だよ

本当素直だなぁ。昔とまったく変わってない



「終聖かわいー」


「かわいくねぇ。それより踊るぞ」


「えっ、ちょっとっ…」


強引にあたしの手を引いてグラウンドに出る


「…足大丈夫か?」


「うん、平気だよ」


「じゃ踊りますか」


いたずらな笑顔にあたしもつられて笑う


ただそばにいるだけで温かくて、安心できて


この人に会えてよかった

初めてそう思えた高1の初冬



曲は終焉に向かっていた




< 413 / 536 >

この作品をシェア

pagetop