あたしの甘ーい幼なじみ



消毒液と、太陽のにおい

「ん……」



目を開けると、白い天井。
おでこに手を当てる。



「ここ……」


「保健室」




声のする方を見ると、パイプ椅子に座った――終聖。



「なんで、ここに?」


「なんでって、俺がお前を運んできたの」



重たい頭をゆっくり動かす。


あ……あの声…



「終聖だったんだ…」


「ん?」


「……なんでもない」


「そ」




しんと静まる保健室。

先生はいないのか、物音は聞こえない。



そっか、そっかぁ



「……終聖」


「ん?」


「ありがと」


「……ん」





今思い出したけど、前にもこんなことあったなぁ。




小さい頃弱虫だった終聖も、弱虫じゃないときがあったんです。





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