【短編】先輩とあたし
「秋斗ね、桜井さんの事・・・。」

「秋斗先輩があたしの事・・・?」


嫌いって言ってたよ、なんて言われたらあたし本当に、落ち込んじゃう。


「桜井さんが好きなんだよ!」


勢い強く言われた言葉に唖然とする。
岩崎先輩、何を言ってるんだろう。


「だから会いに行ってやって?」


悲しい顔をした岩崎先輩のお願いを断るわけにもいかない・・・。


「はい・・・わかりました。」


そう言うと岩崎先輩は秋斗先輩が体育館の裏で1人で座り込んでいると教えてくれた。
あたしは教えて貰った体育の裏へと走って向かった。

秋斗先輩、岩崎先輩の言葉をあたし信じて良いですか?
秋斗先輩に恋をしているあたしは期待しちゃいます。
ほんの少しでも・・・期待してもいいですか?


「・・・秋斗先輩!」


体育館の裏には岩崎先輩が言った通り秋斗先輩が座り込んでいた。


「・・・美沙ちゃん?」


驚きながらも走って向かってくる先輩に少し戸惑った。
昨日の告白の事が恥ずかしくて秋斗先輩の目が見れない・・・。
走ってくる先輩がとても遠くみえるのは何故だろう。
だけど、そう思った瞬間に秋斗先輩に包まれた。


「え、あの・・・秋斗先輩?!」


これは期待しても良いのかな?
心臓がドキドキしてるよ・・・。


「俺の事、好きなんだよね?」


力強く腰にまわされた手にドキドキしながら正直に答えた。


「・・・はい、大好きです。」


この想いは、もう止められないんだ。
< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop