先生の彼女




つい、最近。


正確にはついさっきまでは


先生と離れたくないって気持ちで


いっぱいで、憂鬱で仕方なかったけど


今は嬉しくて……幸せで仕方ない。






「弥冬…」



「ふぇ…?」



なかなか止まらない涙を


拭って顔を上げた。



そして――…




「誕生日おめでとう」




その言葉に余計に涙が溢れた。


あたしの涙を拭きながら


顔を近づけてくる。


その仕草に、そっと目を閉じた。


……静かに重なる唇。






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