クールな総長と無自覚女総長?!
「…何だ…?アイツ…。」
(…秋元亜純…ね。確か…舞蝶の……情報参謀か。)
「…"舞蝶の冷人"…」
(舞蝶なら、アタシんトコじゃなくて、もっと他に協力的なチームがあんだろ)
「……調べてみるか。」
1人でそんなこと考えてると、声がした。
「…強いんだな、お前。」
「?!…何だ…アンタか。」
後ろを振り向くと、男がいた。
「……俺はアンタじゃない。」
そう言ってアタシの頭を叩くのは、神山魁琉(カミヤマカイ)。…アタシの好きな人。
カイは鬼王っていうここら辺で強さも大きさも一番の族の、総長。
総長ってだけあって、めちゃくちゃ強い。
「痛ったいなぁ。叩くんじゃねぇよ。」
つい、男っぽい口調になる。
「…そんなに強く叩いてない。」
(バカか…。)
「アンタ男でしょ。アタシは女なんだよ。力の差を考えろよ。」
アタシが言うと納得したように頷いた。
「そういえば、そうだった。」
「……アンタさ、アタシにアンタって呼ぶなって言っておきながら、アタシのことお前って言ってんじゃん。」
「そーいえばそうだな。」
「……。」
「……何だよ。」
「…別に…」
(何だ…コイツ。)