逃げた花嫁 21世紀編
「―――……………。」

「わかった。明日朝一で論文を俺の第一秘書の稲葉に持っていけ。」

「はいっ ありがとうございます。」

「それとまた今回みたいな事をしたら次の勤務地は〇△□支社だ。{{わかったか!!!}}」


「はいっ 申し訳ありませんでした。
失礼します。」


「助かりました。
ありがとうございました。」


お礼は言わないと。


「べつにお前のためにした訳じゃない」


「会社のためですね」

「違う‥フフ俺自身のためだ」


それって会社のためじゃないの?


「俺がお前を口説くためだ!」


「えっ?」


私の踵が止まった。


ゆっくりと竹君さんに顔を向ける。

「竹君さん…。」

私が見たことない凄く真剣な顔で私の顔を見ていた。


私と竹君さんは地下鉄の入口で互いに言葉を発することなくただ見つめ合っていた。



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