逃げた花嫁 21世紀編
「専務…そろそろ約束のお時間です。」


正勝が俺の部屋に入って来た。


稲葉正勝…俺の第1秘書。


俺の家『平松家』の使用人頭 稲葉福子の長男で俺達は一緒に育った。
俺が最も信頼してる男

正勝はどんな時でも決して感情を取り乱だしたりしない。


俺も帝王学を学ぶ上でそのように福子から教育され実行出来ていたが……駄目だ。



華に関しては全く余裕でいられない。


『くそっ…。こんな時にビジネスランチなんかしていられるか!!』


俺は心の中で曝す。


「わかった。」


俺は何事もなかったかの様にポーカーフェイスの平松竹君でホテルの廊下を歩いていた。
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