逃げた花嫁 21世紀編
「ちょっと華―…。」

「失礼。」


俺は連れのイタリア人に声をかけた。


「……ひょっとして…im-Tの平松竹君専務ですよね?
華の従兄妹の」


本当は従兄妹じゃないが説明するのが面倒なので従兄妹にしておこう。


「はい。よく僕の名前をご存知ですね」


「私 ミラノの大学で薬学を専攻してて先日専門誌で貴方のインタビュー記事を読んだんです。」


スイスの会社との業務提携の記事だな。


「華は僕が連れて帰ります。
宿泊先も同じなので」
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