《俺様的》彼女の手なずけ方
キョトンとしていると、サギくんが後ろから囁いた。




「葵ちゃん……観念して。ナルに、指名された」




「えっ?なんの話……指名って……えぇっ!?」




「早くっ、早くしないとナル様が怒っちゃう。あぁ見えても、人一倍気が短いの!」



天音ちゃんとサギくんがあたしの背中をグイグイ押して、無理やりステージの端まで連れてこられる。













「あ……あたしっ?!ウソっ!!」




「俺もフォローできるところはするけど…プリンセスに選ばれたら、手も足も出ないな」




サギくんが悲しそうな目をあたしに向けてくる。




「なに、それ。見捨てないで~!!」




「プリンスとプリンセスの契約は、絶対なんです。1学期間、周りは口を挟んじゃいけなくて。

大人しく、ナル様の捕虜になってください!」




天音ちゃんが唇の前で、そっと人差し指を立てる。



その仕草はかわいいけど、言ってることはかわいくない!





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