《俺様的》彼女の手なずけ方
あたしも、なにもなかったかのように落書きをウェットティッシュで拭きとる。



すると、ナルがあたしの手を止めた。




「ちょっと、なんなの?」




「コイツが俺のプリンセスだってわかってて、こういうことをするヤツがいるってことだよな」




教室内に響きわたるような大きな声で、ナルが言い放った。




感情の全くない顔で言われると、ホントに怖い。










「誰だ?出て来いよ」



ナルがそう言うものの、この場で出てこれるわけなんてない。



出たら最後、なにをされるかわかったものじゃない。




「もう、いいよ。気にしてないし…」




ナルの手を振りはらおうとしたら、ギュッと掴まれた。




「コイツは騙せても、俺は騙せない。この場で出てこなくても、すぐに調べてやるよ。今出てきておいた方が、身のためだと思うけど?」




いっ……痛いっ。



だからって、あたしの手を握りつぶさなくてもっ!!



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