《俺様的》彼女の手なずけ方
「ありがとう…前向きに、考えるね」


あたしがそう言うと、ナルが体を離して、



パアッと輝いた顔をあたしに向けた。



「ホントにいい!?いつ、答えが出る？」


「いつって、わからないよ…そんなに焦らせないで？」


「焦ろよ！」


「えーっ、そんなの無理だよ。すぐってわけにはいかないもん」



「どうしてだよ。学校のヤツらは、すぐに俺に従うのにな」



「なんでも自分の思い通りにはいかないんだよ？そういう肝心なことを、教育係に教えてもらわなかったの？」



「俺の教育係は、俺の思う通りに周りが動くって言ってたぞ？」



「それ間違ってるよ～。みんなは、ナルを恐れて言うことを聞いてるだけだよ。

そんな感じだと、誰もナルについて来ないよ？気がついたらひとりぼっちになってるんだから」



「ひとりぼっち……それは、嫌だ……」



ナルがもう一度、あたしを抱きしめる。



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