《俺様的》彼女の手なずけ方
「また今度な」


「今度って!」


「とにかく、俺はお前が好き。それでいーだろ」


シンプル過ぎて、ドキッとさせられた。


あたしの前でかわいく笑うナルは、


教室にいたときとは別人。








「夏休み明けの2学期も、お前を指名するから」


「ウソ…」


「他の女をもてなすとか、俺にはもうムリ。お前しか、見えないから。

好きだよ、葵…」


目を細め、優しく髪をなでられる。



ひゃあっ!


こそばゆくって、思わず目を閉じた。


ナルに女の子として扱われる度に、


ドキドキする。


落ち着け、あたし…。


相手はあのナルだよ!?


でも、体は正直みたいで、


胸がドクドクと波打ち、頬も熱くなってくる。


やっぱり、好きって言われると嬉しいんだ。


あんなに嫌いだった、ナルなのに…。


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