《俺様的》彼女の手なずけ方
ウソ……どうしてあたしのカバンの中に?



「このカバンの持ち主は?」



先生の言葉に、あたしが一歩前に出ると天音ちゃんに腕を引かれた。



「今出たら、葵ちゃんが疑われます」



「だけどあれはあたしのカバンだし……」



やってないんだから、正々堂々としていればいい。



天音ちゃんを振りきり、あたしは自分の席まで歩いていった。



「あたしのカバンです。だけど時計のことは、身に覚えがありません」



「……といっても、この中に入っていたわけだし」



先生が首を捻る中、清香さんがあたしたちに近づいてきた。








「あなた…こんなことして、恥ずかしくないの?盗難なんて、セレブ学園始まって以来だわ」



「あたしはやってない!」



「どうかしら。誰かそれを証明できる人は?」



清香さんが教室を見回すと、みんな複雑そうな顔を見せる。



それもそのはず。



あたしは体育の時間にいなかったし、一番最初にこの教室に戻ってきたのもあたし。



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