《俺様的》彼女の手なずけ方
「裕福な親戚の家に預けられただけで、あなたのご実家はそうではないのでしょう?」



「それはっ……」



「あなたの本当のご両親は、現在海外にいるのよね。しかも連れていくと生活費がかかるから、日本に置いていかれた……」



みんながザワつくのがわかる。



「あたしはただ、海外に行きたくなかっただけで…」



「言い訳ならいくらでもできるわ。大した稼ぎもないくせに、セレブ学園に入ってくるなんて、

身の程知らずにもほどがある。よっぽどプライドの高いご両親なのね」



「なっ……言わせておけば、言いたい放題ね。

あたしのことは置いておいて、ウチの両親をバカにするのはやめてくれる!?」



親の文句まで言われてカチンときたあたしは、清香さんに詰め寄った。









「きゃっ!怖いわ。やっぱり山猿よね。野蛮だわ……信じられない。

低俗な家庭で育ったから、そんな風なんだわ。

一体なにが目的でこの学園に潜り込んだの?きっと恐ろしいことを考えているに違いないわ」



清香さんはこの世の終わりみたいな顔をして、生徒のひとりにすがりつく。



それを見たクラスの子たちは、一斉に頷いている。



「みんな、信じて?あたしは親戚がここの学園長と知り合いだったから、たまたま編入をさせてもらえただけで、清香さんが言うようなことは」




「おだまりなさいっ!!」


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