《俺様的》彼女の手なずけ方
清香さんの怒鳴り声に、あたしの体がビクッと震える。



そして教室の中は一気に静寂に包まれた。



「さっき、人のモノは盗らないって言ったわよね。それなのに、ナルを奪おうとした。

婚約者がいるのに近づいて、ナルの気持ちを惑わせた」



この人は、どこまであたしをイジメれば気がすむの?



戸惑いと同時に、怒りがこみあげてくる。



「あたしは……知らなかった。ナルに婚約者がいることも、自分のカバンの中に時計が入っていることも……」



これは、もしかしたら清香さんの陰謀なのかもしれない。



あたしを窮地に追い込んで、学園から追い出そうっていう……。








そんなことをしなくても、あたしは学園を去るつもりだった。



それなのに……



みんなに疑われたまま学園を離れるなんて、悲しすぎる。



どうして、誰も信じてくれないんだろう。



天音ちゃんだけは信じてくれるってわかるけど、



それでも、悲しくて悔しくて泣きそうになる。


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