《俺様的》彼女の手なずけ方
「少し、考えさせて…」


「おー。返事はいつでもいーから。昼休みまで、ココにいろよ。ちょっと行くところがあるから待ってろ」


ナルは目を細めて笑うと、あたしの頬を包むようにして撫でた。


…ホント、別人なんだけど。


最初にあたしと張り合ってたあいつが、今目の前にいるナルだなんて。







ナルはあたしを残して、部屋を出ていった。


あたしはさっきまでのことを考えながら、ひとり部屋の中でボーッとしていた。


結婚なんて……そんな。


あたしがナルと結婚?


それこそ、ありえないよ。


だけど真っすぐなナルのことだから、さっきの言葉にウソはないのかもしれない。


ホントに対策を考えてるのかな。


それならあたしも色々なことを気にすることもない?


それに、さっき守ってくれてホントに嬉しかった。


あのままだったら、全員に疑われて今もまだ嫌な思いをしていたはず。


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