《俺様的》彼女の手なずけ方
「カレー!?」



「そ」



「……えっ、これをナルが?」



まさか、あのナル様が食堂の列に並んで買ったってこと?



「そんな顔するなよ……やっぱり俺が買ったモノは嫌ってことか」



「そうじゃないよっ、並んだの?ナルが……?」



「おー。初めて学食に入った。買い方が分からないから、周りのヤツらに教えてもらったけどな」



信じられない。



あたしのために、そこまで?



「みんな、驚いてたよね」



「そうだな。なにかあるのかって、ビクビクしてたけどな。ま、そんなのどーでもいいから、食おうぜ」



「うん……ありがとう」



ちょうどお腹が空いてたし、ナルがそこまでしてくれたことが嬉しい。








カレーをスプーンですくうと、ナルが口を開けて近付いてきた。



「えっ、なに!?」



「あ~んってしてくれるんだろ?」



「はっ……はぁ!?しないし!!」



「なんだよ、照れんなよ」



照れてるとかじゃないからっ!



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