《俺様的》彼女の手なずけ方
疑われたことは、あの状態だと仕方がないよね。



だからあたしも笑って許せたし、これ以上こんなことが起きないようにしないといけない。



あたしのことで、クラスの子を巻き込むなんて、そんなことダメだし。



ナルから清香さんに直接言ってもらうしかないのかな…。



そのぐらいじゃやめないだろうけど。



色々と考えているうちに、あっという間に放課後になった。










天音ちゃんは用事があるからと、先に帰って行った。



そしてあたしは、ナルと約束したこともあり門の前に移動する。



しばらくして、あたしの前に高級車が停まった。



中から運転手さんが出てきて、あたしにお辞儀をする。



「葵様、どうぞこちらへ」



後部座席へと案内され車に乗ると、もうすでにナルと女の人が乗っていた。



これがきっと、ナルの言っていた3年の先輩だ。



黒くて長い髪、品のある佇まい。



こういう人の方が、ナルと合っていそうな気もする。



先輩があたしを見て目を丸くした。



「この子が葵ちゃん?そうなんだぁ……」



勝ち誇ったような笑みに、清香さんと同じものを感じた。



やっぱり、ナルを狙ってるよね?



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