《俺様的》彼女の手なずけ方
「そんなに、珍しいか?」



「……わっ!起きてたの?」



手を引っこめると、ナルがあたしの手を掴んだ。



「遠慮なく触れよ。俺の顔に触っていいのは、お前だけだから」



「いいよ……」



「幸せだな……」



フッとナルが目を細める。



優しい視線に耐えきれなくなって、あたしは目を逸らした。










「いつも、目覚めが悪いんだ。だけど今日は、最高の朝だ」



突然、ナルがあたしに抱きついてくる。



「きゃっ、やめてよ!!」



「もう……ホントに最後なんだな……」



「え……」



「そういう約束だったろ。昨日は彼氏ヅラしてお前を振り回した。

だけど、もうしつこく追いまわすのはやめるって言ったからな。約束は、守る」



案外、引き際はアッサリ?



だけどこの間だって、『ペット契約はもう終わりだ』って最後みたいな言い方をして、



結局そうじゃなかった……。



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