《俺様的》彼女の手なずけ方
「あの…転校する、手続きをしに来ました」


あたしがそう言うと、学園長は眉をピクリと上にあげた。


「転校?あなた、なにを言っているの?」


「無理言って学園に入れてもらったのに、こんなこと言ってごめんなさい。

やっぱり、親元で暮らしたいな…って」


ホントは、学園長の知り合いのおじちゃんを通すのが筋なんだろうけど、


おじちゃんは出張でいないし、帰りを待っていたら時間がかかりすぎてしまう。


そして、それにはおばちゃんに言わなきゃだし、


もう、これ以上迷惑をかけられないって思ったから。


だから手続きからなにから、全部自分でしようって、そう思ったんだ。


「そうなの?そんなこと、紅玉さんからは一言も聞いていないわ」


紅玉っていうのは、おばちゃんの旦那さんでおじちゃんのことなんだけどね……。


「あたしが、ひとりで勝手に決めたことなんです。

伯父や伯母にはワガママを言ってばかりだから、今回は自分で動こうって思っていて」


「…そう。この学園が、気に入らなかったのね」


学園長は更にあたしをにらんでくる。


あたしは慌てて、訂正をした。


「そんなことないです!ここでの生活は、すごく充実していました……ただ……」


「ただ……なに?」


 
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