《俺様的》彼女の手なずけ方
「色々と…あたしには、合わなかったんです」


「合わないというより、正確には…あなたが周りに合わせられなかった…ということでしょう?」


「そう…です」


転校をする理由にするには、それが一番いいと思った。


あたしは学園長の言葉に軽く頷く。



「ここは、紳士淑女の集まるセレブ学園。ここでうまくやれないとなると、新しい学校に行っても同じこと。

あなたみたいな生徒は、転校してもきっとまた同じことを繰り返すでしょうね」



その言葉を聞いて少しカチンときたあたしは、とっさに学園長に言いかえしてしまった。










「それは、違います。あたしは……ここでうまくやる努力をしました。仲のいい友達もできたし……」



「それなら、もう少し考えなおしてみなさい」



「えっ……?」



まさか学園長がそんなことを言うなんて思っていなかったから、かなり驚いた。



学園長はあたしに背を向け、すぐ側にある窓際に立った。



「確かにあなたはこの学園で浮いている存在だと思うわ……だけど私は、他の人と違うからって排除する方針ではないの」



「!?」



聞いていたのと、少し違う。



学園長は、自分の気に入らない生徒をすぐに退学させるって聞いていた。



だから、あたしみたいな生徒は一番に出て行って欲しい存在なんだと思っていたのに。



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