《俺様的》彼女の手なずけ方
「それは……どういうことなんですか?」



「ひとりひとりが違うのは当たり前。お互いにないところを補い、助け合っていく。

ここで学ぶべきことは、そういうことよ。あなたが来たことで、変わった人もいる。それは、良くも悪くもね……」



もしかして、学園長には全てお見通しなの?



いい方に変わったのは、もしかしてナルのことなのかな…。



そして、悪い方に変わったのは……。



あたしが黙っていると、学園長があたしの方を振りかえり、微笑を浮かべた。



「あなたには、人の心を動かす力があるって信じているわ。だからもう少しここにいて欲しいの」



「そんな……あたしは……」



学園長は、どうしてそんなことを言うの?



あたしには、そんな力なんてないよ。



転校しようって決めて来たのに、引き止められると心が揺れる。



厳しいと思っていた学園長にこんな言葉をかけられたら、戸惑わずにはいられないよ……。








「鳴海は……私の甥なの」



「えっ……学園長の!?」



学園長のカミングアウトに、ドキッとした。



そしてどうして突然、あたしにそんなことを話すのかも、意味不明。



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