《俺様的》彼女の手なずけ方
「鳴海はこの学園で、やりたい放題だった。だけど兄様の息子だし、私は目をつぶるしかなくて……。

小さいときは優しい子だったのに、成長するにつれてあの子は変わってしまった……もう、ほとんど諦めていたの」



学園長は、遠くを見てなにかを思いだすように懐かしそうな表情を浮かべている。



「…………」



「あなたが来てから少しして、鳴海がいい方に変わったの。

最初は、鳴海にやられてすぐに学園を辞めるんじゃないかとか、どうなることかとハラハラしていたけど……あなたは負けなかった。

精神面が強いのね、それは鳴海に匹敵するほど……」



学園長はクスクスと笑いだす。



「あたしはあんなに無神経じゃありません!ただ、根気強いだけです」



思わず言ってしまったら、学園長はたまりかねたように爆笑し始めた。



「アハハハ!!そうね、鳴海と一緒にしてはかわいそうね。根性がある……その方がよかったかしら」



もう、どっちでもいいけど。



学園長の中では、あたしはとんでもないおてんば娘にうつってるんだろうな。









「そのうち、鳴海があなたに夢中になって……色々と迷惑をかけていたみたいね。

転校したいっていうのは、実はそのせいなの?」



「ちっ……違います。それに、夢中にだなんて……」



学園長まで、ナルがあたしに告白していたことを知ってたなんて。



なんだか急に恥ずかしくなってきた。


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